2007.06.05
_ [映画]ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
カザフ人のTVリポーターが、悪意に満ちた粗相をしでかしにアメリカへやってくる。徹頭徹尾、飛び道具しか使ってこないすばらしい映画。9割がたが下ネタと差別ネタだけで出来ていて、どこまでも高純度の低俗さが尽きない。全裸のオッサンが脂肪をブルンブルンペチンチン言わせる部門においては今年度暫定トップまちがいなし。マインドセットと視聴環境によっては、短期記憶が揮発しかねない類の笑いが発生する。
ドキュメンタリーの手法を都合よく取り入れて、アメリカ文化のしょうもなさを見せる作りはマイケル・ムーアを思い出すけど、ムーアから感じられるような鼻につく感じ、政治的動物としての無理した強引さはない。ユニークかつ醜怪に戯画化されたカザフと、現実のアメリカを対置してるところに意図があるような気もしなくはないけれど、サービス精神、砂糖衣としての下らなさ要素がすばらしく盛られすぎていて、世界の王たるアメリカにたいして、誰も彼もが多かれ少なかれ道化マインドを発揮せざるを得ない昨今の世間にあって、その内奥はスパイスにもならない感じ。ほんとに中身と外見が不可分かどうかもあやしいものではあるけれど。そして、カザフとアメリカをおもちゃにした映画を、イギリスのユダヤ人が作ってる(さらにそれを日本人が観てる)構図が嫌楽しくもあり。

