2006.08.03
_ [映画][映像][アニメ]細田守/時をかける少女
あー、プロットと今までの細田守得意の演出技法がスゲーガチっと噛んでくる感じが! ナイスマイルストーン! 繰り返せ! 主線を赤くしろ!! 気持ちよくハッとさせられるカットが頻出して、スゲー気分が高揚させられます。ラストの河川敷の舞台っぽいとことかねー。楽しい!
あ、でも途中に一度だけ出てきた"交換留学生"って言葉にダジャレ脳が過剰反応して、観てる間半分くらいはそこから膨らむ小話に脳をとられてたのがわりと悔やまれるので、もっかい観てきます。東京で小屋一個しかかかってないってのは損失だな。
_ [とるにたらない][妄想]The Last Supper
――カチリ。
黒い正方形を押すと、耳を聾して響いていた嬌声が唐突に消えた。
ホテルの部屋に残るのは、空調と外付HDDの低い唸り。シリコンと精液の臭いが混じりあった、熟んだにおい。
真夏だというのに、足の付け根が霜焼けで痛む。
ポケットにあった薄荷のタブレットを口に入れ、日記に線を足そうとして、止める。
正の字で埋め尽くされた日記帳が目について、馬鹿々々しくなったのだ。
――一ヶ月前、俺は今年の強姦留学生に選ばれた。
昔(まあ、高校生の"昔"なんて、たかが知れてるけど)、ある日を境に、大人の中で何かが変わった、らしい。俺が知った限りじゃ、一人残らず、例外なく。
それで、なんていうか、子供をおもちゃにするってか、チョイワルじゃ済まない悪フザケに巻き込むってか、うまくいえないけど、世界中がそんなふうになった。
これは、らしいじゃなくて、今そこにある現実。ルールが変わった、なんていう奴もいる。
選ばれたその日、帰ってその事を両親に話したら、二人ともヘラヘラしながら、お前はこの国に産まれて運がよかった、なんていってた。
よその国じゃ、中学生を国中から集めて殺し合わせたり、"ルール"が変わった途端に、大人が子供を皆殺しにした国もあるんだから、って(皆殺しの方は、今じゃ地図帳を見ても名前が載ってない)。
それに、この手の制度が国って枠を超えて成立してる例はすごく少ないんだとかで、親父なんか、レアなんだぞ!ってはしゃいでた。
滅茶苦茶だ。ひどい話だ。でも、それをわりとフツーに受け止めて、クラスメイトからうんざりするほど貰ったおかずを躍起になって消化してる俺だって、きっと変なんだろう。
変わったのは、大人だけじゃない。いや、大人を見て子供が育ってるだけかな。
ああ、そうだ。この仕組みについて。
簡単にいえば、交換留学した先では、レイプ以外でイタしたらダメよってこと。一人でもダメ、合意の上でなんてもってのほか。
性別だって気にしちゃいけない、オールウェポンズフリー。つまり、使えるとこはなんだって使う。
交換されるのは男女のペアで、留学前に、ペアは顔を合わせてジャンケンをする。勝った方は、"する"だけ、負けた方は、"される"だけ。
どっちにしたって、帰ってくる頃には、今の自分が跡形もなくなっているだろう事だけは確かだ。 クソ、やっぱり滅茶苦茶だ。
――慣れないベッドに突っ伏して、考える。
寝て起きたらプログラムが始まる。ジャンケンの勝敗が決まったら、午後の便ですぐに相手国へ。次の朝には、向こうの学校で自己紹介しているだろう。今夜が、"俺"の最後の夜になる。
昼間、ホテルのラウンジで見かけた子の事を思い起こす。 同い年くらい。サリーが似合っていた。一人で食事をしていた。
明日のジャンケンの相手は、あの子だろうか。
あの子は、今夜が今までの自分でいられる最後の夜だって事がわかっているかな。
わかっているなら、どんな風に過ごしているだろう。
足の付け根を軽くさすってみる。ちょっとヒリヒリする。
ベッドから身を起こして、床に転がった氷嚢を拾う。
冷凍庫には、まだ氷が残っているだろうか。
2006.08.22
_ [イベント][立体]WonderFestival 2006Summer
綺麗な画像はありません。けれど形を残さないと、なんだか全て忘れてしまうのです。
来るかどうかわからない次の冬のために。
あるいは、寄る辺なきウスノロと無業者のために。

夜中に突然シスとジェダイがやってきて、このノートに名前を書いた奴は、明日の午後五時をもって全員心臓麻痺で死ぬって言うんだ。俺、どうしたらいいんだろう?
この中のシスの一人が、閉会間際にコスプレ写真集CD-ROMを購入していた。帰って最寄駅のスーパーで発泡酒と半額惣菜を買いこむシスを幻視したが、本当はシスもジェダイもお台場でクネクネ打ち上げていたりするのだろうか。

ジェダイに教えを請うパダワンの群れ。この免罪符を買えば罪は許されるぞ!周囲は常に制汗スプレーとメントールとチーズ臭が鬩ぎ合う群雄割拠の巷でした。
この画像には関係ないけど、並んでいる最中に第二次惑星開発委員会発行のミニコミ誌を読んでいたら、隣に並んでいる人に声をかけられて話が弾んだ。造形業界には、この手の、"僕らにとっての切実な現実を淡々としたライムで斬る現代に落とされたファンク爆弾"的アイデンティティ闘争の徒があまり見受けられない気がしていたので意外、だったけれど、今思えば、そういう事に拘泥しない、指先から造形マッチョに染まっているような層というのはディーラーになっているはずで、中途半端な夜中に並び始めるような、半端な変温層でウロついてる向きはわりと混交しているのかもしれない。その人の言っていた「この本すごく面白いんだけど、人に貸すと皆読んで怒り出すんだよねー」という発言が面白かった。

不良大学/荒いよ! でも精度はともかくとして、アナトミーに根ざしていない奔放さのあるこんな形はけっこう好きなんだよな。植物少女園の人もそうだけど、女性はこの辺りの心理的縛りから自由である場合が多い気がする。こういうディーラーが半年ごとにキュンキュン上達していったりするとかっこいいんだけど。

SCYTHE/いつもかっこいい。今回のロボは変形しないんだな。しかし、凝ったサイトをポップアップバンバンJwordバンバンの無料スペースに作る心性を思い、更にそんなことを気にする自らの性根に直面した時、僕は自分が気の毒になってうつむいてしまうのでした。

AT RECORDS/ダウン上人! トレンチ大師!!ワンダー。 寺社が力を持ち続けた近現代ってのは妄想が広がるな。あー、エウレカセブンの坊さんも連想できるか。ピザでも食ってろ坊主。 こういう方向性って、12インチ絡みだとけっこう多いというか、想像しやすいシェイプに見えたんだけど、どうなんだろう。あとで見てみよう。

道楽模型堂/インハウスのデザインスタディぽい雰囲気の多脚メカ。ビス止めとラチェットでカチカチ動くのが手遊びバリュー高くて良い。全く攻撃性のない形をしてるのもデスクトップ向け。出雲重機ぽいというか。PG。

秀吉/デジペchanというのか。なんだよかっこいいな。こういう時に小サイズに手を出しづらい自分の癖がちょっと恨めしくなる。改善しよう。検索しづらいディーラー名だけど、まだ日本語であるだけ良心的だと思った。

HIGH RISK ☆ NO RETURN/たたたたかまってきた! 冬に出てたA-10(ガジェット工房)製作の物はけっこうおとなしめというか、キャラクターに対する敬意が見え隠れする感じだったけれども、こっちはよりニッチなリビドーが走っていて好感触。確かにハイリスクではあろうと思う。

-69-/ 塗装でけっこう損してるな。ディーラー名が検索しづらくても、キャラクターの名前があればまだなんとかなります。こんな感じのオリジナルキャクターを立体化する例が増えたなと感じていて。それは造る側の作風が多様化したのか、それとも作られる側(描く側)の傾向が多様化して、造る側がそれを目にする機会が増えたから、トランスレーションの参照元が増えたってことなのか、でも描いて造る人も少なくないし、世間一般の傾向なのか、とか途中で徒労感が増したので考えるのを止したんだけど、総ニッチ化の傾向はとめどないかなーという印象がぼんやりと。熱的死、アンチレッツビギン、プチクリってやつか。プチクリンゴンか。

J-FACTORY/ザボーガーかっけー。そういえばまだ関智一はザボーガーを造ってるんでしょうか。いやちがう、あれは製作途中の原型がザボーガーみたいだっただけで確か別物だった。ような。気が。

キツテフ/根拠はないし具体的に何をしておいでなのかも知らないのですが、このディーラーの人はよく働いているな、という印象が何故かあります。理由はわかりません。小さい物を買わない癖をなんとかするべきだと本当に思いました。

工房ねんどくん/天風光成って人はいいセンスをしてるなといつも思います。乗ってる自転車の趣味とかだが。描いてるエロ漫画を読んでみたら全然抜けなかったけど、これもセンスのいい人の特徴か。上手い絵は抜けない。

フェ部/フェ部女の子セクションから新作がドロップ。まだ売ってなかったけどこれは買いたい。13Bスペクターズの烏帽子鳥も今回落ちてたので冬に買おう。もう2年くらい待っている気がするが忘れないように。

中吉や! /服の皺がギュチギュチ言いそうで大変よいと思いました。


りゅんりゅん亭/ネリマクイーンのような感じだった気がしますが、今回はこれらのカラーレジン版が出ていて目を見張った。したっけカラーレジン版は撮影禁止だったので、これは通常の全塗装したもの。カラーレジン化は意欲の振り向け先としてはわりとポピュラーな感じがするんですが、しかしこの物量はすごい。

Long Long/新作は受注のみ。だんだん単価が上がってて、イベントで財布の紐が壊れていないと買えない感じになってきた。はぐちゃんの風船とか今回の新作の鳥かごとか、時々困った顔にならざるをえないパーツがあったりするので、原価は想像しにくいのだけども。

ン・バギ/お、福神だ! このほかにもドロヘドロとか出してて、いいチョイスしてやがんなと思ったのですが、どれももうちょっと大きいサイズだと嬉しかった。

ぺこぽこ/もじぴったんが止まらないなあと思っていたら、右の画像みたいな野心があったらしい。完遂したらまたあのプロデューサーの人が泣いたりしそうだ。



F-Face/武装神姫は素体部分の印象は本当に悪くないんだよな。発表から製品立ち上がりまでのタイムラグが長いとやきもきする。バスターマシン7号はさすがに派手に動かすとフリーキー。フリーキーですごくいい。新素体は形状的にはほいほいさんの中身に似てるけど、股関節を後ろから見てみたい。PG。

大TOA共栄圏/今までけっこうな数俺ニクルを見たんですけど、あんまりピンとこなかったんです。自分で撮った画像を見て理由がわかった。線が多すぎて画像だと形がよくわかんないんだ。実物見ると非常にかっこいいです。セミモノコックぽいシルエットの出し方をしてるのが新鮮です。これはいいな。

浪曼堂/バイオニクルに比べてダイヤブロックは本当に土建屋ボクセルっぽい感じ。イデオンとかは元の形に似合っててかっこいいんだが、ダイヤブロックはブロックの単位がちょっとノッポで大きいので、"見立て"が成立しにくいんだよな。見立てを成立させるためにある程度のサイズが必要でどうしても大味になってしまう。この手の俺ブリックを国内で本当に製品化しようと思ったら、ダイヤブロック以外は現実的じゃないんだろうけど、それでもマテリアルとしての筋がよくないと思う。あ、そうだ。画像撮るの忘れたんだけど、しばらく買ってなかったBJPMがいい感じに色気を出してきてて、いくつか買った。BJPMは逆に見立ての活きるサイズがかなり小さくて、すこしでも恣意的に形状を出そうとすると途端に難しくなるイメージ。

不明/荒いけどちょっといい感じだったところ。ディーラー名がどこにも書いてなくて、後からカタログで見ようと思ったらそれらしいのがなくて困った。島はB-17辺り。

さちうす堂/その場で金払わなかった人間が何を言っても言い訳ですけど、これはいいと思いました。手元におきたいかと言われればそうじゃないし、純粋に造形としてだけ見てるわけでもないですが、それでも評価したい。ということがあります。

江東美研/あー、なんだよコジャレやがってもう。ネフ社の積み木をベースにしたりするさわやか根性がもうずるいよな。こいつらは絶対かわいい彼女とちょっと常軌を逸したセックスとかをしてるに決まってる。決まりくるってる。くっそ〜……うらやましいな。卓球模型の人もそういう感じだ。AG+だ。銀イオン共め。

R.GLATT-CC/マシュマロ通信だ!風間やんわり!!いやごめん間違えた、山本ルンルンだった。このディーラーの人は作風と選ぶ題材がいつもフィットしていて素敵なように思います。

ふてね体/かっけーな。そしてふってーな。PG。

SOMALICRAFT/一年くらい前から、司淳の次は山本しゅんやなのかなーとガチムチオッスオス系のディーラーを見ると感じていたのですが、さすがに画集の同じモチーフが造られるとなるといよいよな感じがします。本当は司淳絵を作ってるところと山本しゅんや絵を作ってるところはあまり被ってないですが。今回の両者を見比べると切ない気持ちになるのであまり見ないようにしたいです。まる。

GREEN LILY/この修一くんはちょっと淫売ツラすぎやしないかと思ったのですが、元絵の再現に拘泥するとノペっとした感じになりそうなのでこれで正解な気も。画像だとぷくぷくほっぺもあまり目立たないしな。しかし志村貴子キャラの立体化は偉大な行いです。

丸利商会国内事業部/磁器製だってよ。磁器故っぽくダルかったりする箇所もわりと見えるんだけど、すごい。塗装まで焼成してるっていうので驚いたんだけど、伊万里焼とかの絵付けを見る限りでは繊細な塗装はたぶん不可能なことではないんだろうという気もする。そういやビスクドールとかあるものなー。

ツープラトン/冬にここのビッツを買ったのを思い出した。新作もビッツだ。出雲重機も鉄騎ではビッツが一番好きと言ってた気がする。

SUDACCI/ しもぶくれ気味の広末フェイスとか浮き出すアバラとか、わんぱく絵の特徴を捉えててカチッと造ってあってかっこいい。
2006.08.28
_ [アニメ][妄想]トップをねらえ!2 #6
最終話『あなたの人生の物語』を観ました。
これは、前作におけるカルネアデス計画後の人類が、永きを経て、 既に神格となったバスターマシン1・2号とその搭乗者の帰還を寿ぎ、また帰還そのものを招来するための神事を執り行おうとするエピソードです。
12000年の月日はあらゆる事象を押し流して、バスターマシン3号たる木星をエイリアスたるドゥーズミーユ擁する地球とし、 その名を残すバスターマシンは(往時のマシーン兵器のように)兵隊級を相手にする他ない状態にまで落魄し、 かつて、正に天文学的物量を恃んで銀河の漆黒をも退けた宇宙怪獣は、(ブラックホールを飲み込んだとは言え)一体だけしかいませんが、 それでもなお、(神代の技を失って)太陽系内に隔離された人類は存亡の危機に瀕し、巫女たるラルクとノノは神楽を舞うのです。
またこれは、2006年のGAINAX現有戦力が、トップ1当時のゴールデンエイジスタッフの肩を借りながらも、 自分達の風呂敷を広げ、自分達で畳もうとする物語です。
第3話までに築いた自分達の足場を自ら砕き、第4話、第5話と風呂敷の寸法に喘ぎながらも 『果しなき流れの果に』を『あなたの人生の物語』に接続せんとする試みです。 人工衛星は駄菓子の姿をしていて、バスターマシンには瞳がきらめき、本来の姿を取り戻した機体からは剛体の外装が也を潜め、 (現若手作画スタッフに支配的な作風が映えそうな)キャラクター然とした容貌を獲得します。 これはひとつのサンプルですが、『フリクリ』DVD-BOXのコメントにおいて貞本義行は、かのヤマトがグニグニと形を歪ませながらカメラをナメていく例をあげて、剛体を剛体として動かすことの困難を示し、若手に対して軽く冷や水を浴びせています。 対して、この最終話において、(今にして思えば第1話からしてそうだったのですが)操縦者にして主機であるところのトップレス能力を失ったバスターマシンは、わざとらしいまでの3DCGにより、あらゆるモーメントを失った巨大な質量として活写されます。 人の手の通わぬ機械とそうでないものの差を見事に演出する事によって、トップ2スタッフは、先の貞本義行の問いかけに、ぬけぬけと解答してみせているように思えます。
テッド・チャンが著した短編小説『あなたの人生の物語』は、ある言語学者が、人類とまったく異なる合目的論的、同時認識的知覚を持った異知性体と交流する中において、 その特異な知覚によって獲得され発達した表義言語を習得し、その言語と知覚を獲得する。つまり自分の未来と、その終末にある死に至る記憶と体験、同時に認識するに至る、という話です。
ノノの師匠が持つ懐中時計の裏に張られたプリクラ、ブラックホールエグゼビアが崩壊する刹那にラルクが幻視した風景、そして唐突に現れる"時空検閲官の部屋"なるガジェット等は、 このサブタイトルの元ネタたる小説のエッセンスをサンプリングしたものと言っていいでしょう。
そして、我々はこの早急で、気忙しく、頼りなげな神事が功を奏することを知っています。
螺旋を描いて舞い来る二つの赤い光点を知っています。
"オカエリナサλ"を知っています。
この光景を知っています。
そのどちらもが、"あなたの人生の物語"であるが故に。
その名を関する物語であるが故に。

