ザ・グランドファーザー : おじいちゃん

the grandfather

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2005.05.04

_ [小説][感想]桜庭一樹/推定少女

本 : 推定少女親方ー!空から女の子がー! 女の子の手にデザートイーグルがー! 親方の頭には矢が!? とか。ガールミーツガール。ボーイミーツガール。あとナードミーツガール。

よかった。なんかその思春期、安くねえ?とは思ったけれど。それは、かつても今もこれからも少女だったことなどない実感との距離のせいかもしれないけど、でも、この作品で描かれる煩悶の数々に性差はあまり関係がないと感じるし、それを安い/易いと感じる心性は自らに対して感じるそれの引き写しなんだろう、きっと。大人の体液は緑色のゲル状で、世界は自分の側とそれ以外でバッキリ隔てられてて。敵は二億四千万、挑むは八匹の狼達、みたいな感じ?その独善は、整合性をかなぐり捨てた本作の状況において全く正しいものであるように思えるし、その易さと危うさを、判りやすく、それこそもしかしたらリアル思春期の、主人公らと同年代の彼彼女等にも感じ取れるくらい明け透けに描いてみせる事が、この作者の誠実さの顕れなのかもしれない、とも思った。何もかもがアンリアルでフォグ・オブ・ウォーなこの小説の中にあって、それだけがリアルだなんて、本当に? っつう問いかけとして意図されたものなんじゃねえかってのはまあ、多分穿ちでしかない。

てか、作中で、主人公に"電脳戦士"って名付けられたボンクラの彼の結末がいいですよ。グチャグチャな後景の中にあって、その滅茶苦茶さの慣性モーメントを殺す事なく、カオスの第一宇宙速度を超えてすっ飛んでいっちゃうっつーのがね。心得てるっつうか、ボンクラあしらいに長けてるっつうか。彼の臨んだ世界の神は、もしかしたらピーター・モリニューなのじゃないかってのが心配だけど、(だって、『シンジケート』だぜ)まあ、それはそれで全くアリだ。

_ [本][感想]ジェニファー・トス/モグラびと―ニューヨーク地下生活者達

本: モグラびと―ニューヨーク地下生活者たち再読。初めて読んだのは多分中学生の時だったのだけど、当時の自分は、この内容のあんまりな突飛さと、紹介されてるエピソードのドラマチックな書かれ様に、多分これはフェイク・ドキュメンタリーなんだろうなと思っていた。だって、ニューヨークの地下には、放棄された線路や、その他様々な用途のために掘られたトンネルから成る、誰もその全貌を把握してはいない、七階層に及ぶ広大な地下空間があって、そこには数千-数万のホームレスが大小様々なコミュニティを形成して暮らしてて、地上の市民は、地下にはアル中とヤク中とキチガイしかいないと思ってて、地下世界の住民を"モグラびと"、だとか、CHUD(Cannibalistic Humanoid Underground Dwellers. =地下の食人族。今ちょろっとGoogle先生に聞いてみたら、そのものすばりなタイトルのホラー映画まであるみたいだ。 どっちが先なのか。元からあった俗語が、映画ネタになって完全に定着した or 狩られたって感じだろうか)と呼んでアンタッチャブルな存在としていて、地下の住民達はその偏見を一笑に付しもするけれど、ホームレス特有の防衛的秘密主義と、高度に発達した口伝ネットワーク、暗闇への不安からくる妄想が結びついた結果として嘘とも真ともつかない噂が絶えず生成されているのも確かで、事実、著者が地下で出会うのは、来るべき世界20xx年のために地下に潜み武器を蓄え、巨大なドブネズミを"線路ウサギ"と呼んで食料とするサバイバリストや、殺人を生業として、犯した殺人の数でグループ内の序列を決める少人数のグループ、自ら"闇の天使"を名乗り、声と容姿で他者の不安と恐怖を巧みに操って歪な権勢を誇る男、極端な秘密主義を貫きながら、学校や病院まで備える巨大なコミュニティの代表であり、地下を理想世界だと語る"市長"とか、アメイジング過ぎる物件ばかり――なんて話だぜ。警察も及び腰で、鉄道会社も地下鉄のイメージダウンを恐れて積極的に調査しようとしない、とかいってるし。

クソ野郎の誹りを恐れずに言えばね。あんまりにもそれは楽しすぎるだろう、と思ってしまったのは否定しない。パリの地下水道とか、映画の『アンダーグラウンド』とかもあるけど、ちょっと違う。コイツは迷宮だ。『アラビアの夜の種族』で、『和風Wizardry純情派』で、 roguelikeで、もっと言うなら、読んでる間中計算機上のユートピアってmob狩りが頭にあった。本の中にも、それ(=mob狩り)を現世において能う限りクルードに実践しているクソガキに対する言及があって、僕の邪ぶりには釘が刺されるわけなのだけど、仮想と現実の区別など存在しない教を信仰する僕は、この事について現世への有効な言い訳を編み出しえていないんじゃないかとちょっと考えた。けれど、よく見たらこの場合特に適用可能な教義でもなく、無理する時は、恣意的な誤解を重ねないといけないようだったので忘れる。

あ、あと、著者は24歳の新人女性記者なんだけど、彼女が段々地下に魅了されていく様子が恐ろしい。その危うげな共感があったればこその、ちょっとエモーショナルというか、ドラマチックな文体なんだと思うんだけど。ラストの、ちょっとした誤解からいきなり地下のコミュニティに拒絶されて、結果的に心情的な帰還を果たすエピソードもショックフルな感じ。

_ [立体][感想]S.I.C 仮面ライダーファイズ&ウルフオルフェノク


先週末はちょっとおもちゃづいており。

ファイズ。オリジナルの、マッシブでふてぶてしいキャラクター性とは全然違って、スマートで精悍。腕が短くて最近のガンプラぽいプロポーションかも。下腕部やふくらはぎがディテールの単調さに比例して華奢に出来ているのは、一見して意図していない造作のようにも見えて、損しているかもしれない。小物類もよくできているけど、ファイズエッジは元々の硬鞭みたいなデザインから抜け出せてなくて、そんなでもない。いや、ファイズエッジだけじゃなくて、フォトンストリーム(体表を走る赤いライン)全般の解釈がどうもやり過ごした風で気持ちよくないのか。膝小僧の煮え切らない解釈とかもちょっと。膝自体が、折るとミイラみたいな異常に細い素体が見えちゃったりしてウィークポイントといえるかも。トータルではだいぶ好きな形をしてて、足の裏がダイキャストでちゃんと作ってあるのとかがいい感じだ。

ウルフオルフェノク。手持ち武器とか一つもないのに、コンパーチブルにする意味を疑うくらいにボリューム過多。素体とか、ヘルボーイが背負ってた死体くらいのボリュームしかない。重量比で20%くらいかしら。しかも全然プロポーションが変わってしまう。そのギャップによるサプライズがプレイバリューの大半を占めてると言っていい。そもこの形態にすると全然動かない。動かない印象の原因の一つである逆足とかがやたらかっこよく、また可動とプロポーションの並立を強行することは、人類の科学力では誤謬であるようにも思えるので、これは特にマイナスとならない。ナイス蛮勇。 でも、同じ色調で反復されるディテールに気味悪さを感じてしまったとこがあって。毛皮の意匠化なんだってのは理解するんだけど、わき腹周辺が、なんか虫の卵ぽく見えたりとか。あとねー、パーツが例によって微妙に歪んでるので、組み換えるときに結構力が入るんだけど、ダイキャストで尖った部品だらけですごい痛い。指に穴開きそう。何かの拍子にザリっと指の間とかに入ったら、あるいはあま爪の部分を抉るようなことがあったらと思うと換装する気が萎える。

このコンパチレギュレーションが妙なインフレーションを起こしてる事態って、そういえばGFF(GUNDAM FIX FIGURATION)だよなあ、とちょっと思った。そこからの派生で、S.I.Cの原型製作者であるところの竹谷隆之と安藤賢司の作風って、インダストリアルに精度を求められる、コンサバティブなロボットモデルであるところのGFFに比べると、この種の価格帯のアクションフィギュアとは親和性が高いというか、塗装と原型力で、力技で品質を積み増ししやすいイメージがある。マスプロ製品としては(造形そのもののの文脈としてはまた別の話になるだろう)多分マクファーレン・トイズを源流とするフォーマットか。ソレを受けて海洋堂とかが本気でアクションフィギュアに取り組んだって流れもあるわけで、やっぱり(モノ自体はわりとしょうもない感じだったにせよ。業界に与えた影響と刺激という点において)『SPAWN』の存在は大きいものだったんだろう、多分。話がそれたけど、そういうフォーマット補正をまるで一顧だにせず、アクションフィギュアのフィールドでロボットモデルをやるGFFって、投入するリソースと品質への効き具合的には茨の道を往ってるように見えて。それはレーベルの姿勢としては多分かっこいいんだけど、プロダクトとしては食指が動きづらい。タンポ印刷で機体を埋め尽くすわけには行かないし、作家性を発揮する余地があるのはカトキハジメだし。うーん、逆説的にバンダイにしか採りえないアプローチであるともいえる、のか。

_ [立体][感想]マグネフォースとアクロメダルグ

アクロメダルグ マグネフォースもうその、三体集めて合体変形とか、その合体用の余剰パーツを武器だと強弁してみたりだとか、 保持できない手持ち武器とか、十字架が車椅子に変形するとか、ポロポロ落ちるアーマーとか、どんなに頑張ってみても、オタクエッセンスを垂らしてみても周回遅れ感の否めない意匠とか、1シリーズ買うと必ずどっかが不良品なクオリティ・コントロールとか、そういう、もしかしたらミクロマンのアイデンティティの一端を担っているのかもしれない諸々にはさっぱり愛着を持ち得ないのがわかった。あと、ミクロマンの"マン"足る、人っぽい体型とツラつきもわりとどうでもよかった。

なので、人体から離れて("最近のパンクスは体に鉄球埋め込んじゃうんだよな")ギミック、意匠ともにマシンモチーフなマグネフォースはわりと期待していた。相変わらずピザカッターとかサッカーボールとか変な武器はついてくる(このセンス自体はそんなに嫌いじゃない。扱いには困る。)し、デザインはかなり愛しづらいけど、本体のプレイバリューで大分救われてる感じ。スチール棚の横とかにペッと貼っておけたりとか。やっぱり鉄球と磁石の重量が存在感を増してて、ちょっとガジェットぽい感じをかもしてるのがいい。さすがにコストがかさんだのか、アーマーの樹脂の質感がスゲー安っぽいのがつらい。完全にソリッドな色合いで100円食玩みたいである上に、元々のデザインも全然よかない多重苦。一体だけアーマーが半透明のやつがいて、それが(デザイン自体がよくわからないおかげで)一番まともに見えるのがやるせない。しかもソイツがシリーズ中最も傍流のキャラクター(悪玉の卑怯な参謀)としてデザインされている皮肉。うーん。

右側の画像のアクロメダルグはすげえかっこいい気に入った。頭がプリミティーブ、腕が長いーでかいー、そして五指が独立可動ー、余剰パーツがないー、パーツがビス止めされててぽろぽろ外れなーいー。ラスト二つはミクロマン的にはダメな気もする。あと派手にパーツがついてる分可動範囲もわりとスポイルされていたりもするけどもまあいい。気にしない。立体物にあっては、末端肥大デザインはまだまだ有効というか、一つの正義だ!とか思った。思った直後に香港トイとかのポップ寄りの末端肥大感に食傷気味なことに気づいた。ダブル・スタンダード。

2005.05.05

_ [立体][イベント][感想]World Hobby Festival 有明12

http://www.whf.co.jp/
前回、つまり有明11について
直近、すなわちWF2005Wについて
以下、ディーラー/アイテム/コメント。例によって、ピントのしくじりと露出の過不足がバキバキと。こういうハレの場に、夜勤明けの解けた頭で行くものではない、と思った。けど、普段の舞い上がりぶりとの間に差異が認められないのも確かな感触としてはあって。手の震えと汗と脂の臭いはいつも通り、まるで変わらない。考えるな、感じるな、動け!死ぬな!蘇るな!! 神に選ばれた無敵のオタク! ヴェルナー・ヘルツォーク・ツヴァイあるいはド・ムーロン。ああ、今俺、適当な事しか言ってない!!


五菱重工/エッチングメガネ/一般的なスケールのフィギュアにあっては最適解であろうと感じられるエッチング製のフレーム。あくまで属性付与、プリミティブなエンチャントメントとしてのメガネ造形ではあって、メガネそのものの造形を愛好する自分の原理主義的メガネ観とは相容れないのだけど、それはそも自分の中ではフィギュアにおけるメガネ表現が成立しえないということなので、この製品の評価を減じるものでは全くない。デザイナーズ家具のミニチュアのメガネ版みたいなものがあればいいのか、というとそうでもなくて、メガネの意匠は家具ほどマスターピースとしての評価が定まっていない感じがってか、エポックメイキングなデザインは頭に浮かぶけど、体系化がされていないような。いや知らないだけで、きっと誰かやっている。北欧の人とかが。というような印象があって、なんか。でも、メガネに対する意識って散逸しすぎてて、客観性のある歴史というか文脈みたいなものなんて、考古学レベル、機能部品レベルでしか了解され得ない気も。


シンセミア/左:綾波レイ, 右:ノノ/スレンダー、サレンダー。ほんとお前はGAINAX好きな、つうのは自分でも思う事だけれど、アスカ綾波に関していえばやっぱり題材として消費されつくされているからこそ、テストベッドとして搦め手ィな(=自分好みな)アプローチの作品が出てきやすいっつう印象は間違いではない、と思う。そっからの流れでトップ2でもキンキーな立体が沢山出てきてくれるといい、と思う。このノノも細すぎていい感じだ。てか、トップ2では、OKAMAが"フューチャービジュアル"なんて、ハイパーメディアクリエイターみたいな存在としてクレジットされているけど、トップ2の衣装周りはOKAMAデザインと了解していいのかな。一人でやってるわけじゃなさそうなんだよなー、キャラデザ自体は貞元だしさ。エグゼクティブ・インヴァルネラビリティ・スーパーバイザーみたいな感じかしら。なんだそれは。あ、今画像見て気がついたけど、この綾波、縊られてる! 掴まれた。


のべつまくなし/HAW206/攻殻SACの第2話に出てきた例の思考戦車。題材も造形もステキだ。しかしWHFはメカ系がえらい少ない印象がある。ワンフェスと比べてみても比率が低いような。当日版権がちょっと弱いというか、メカの版権を持ってる会社が小回りの効き辛い規模である場合が多いということ、なのか。てか、メカ系以外も少なくて、ガーリー(誤用)ってか、ギャリック砲ってか、ヘンリー・ダーガーってか、女の子比率がスゲー高いのか。麺固め脂多め肌色多め。


Ready?/日和/服はクリアレジン抜きで別パーツで着脱可能。ゴツめでピンクのスニーカーの造形が子供の服装をよく見てる感じで非常に生々しい。超クール、超グール。ここで一直線にナルミヤインターナショナル的な鈍化したポップセンスに向かわないのがファンタジーの有様として重要なところである気もしなくもないんだよな。センスとして相容れないし、そこまで現実に追従してしまうコア層は日の当たる場所に出てこないイメージ。ああ、しかし小学生の頃好きだった同級生の関さんに似ている。


ためえもん亭/1/40 テムジンType94 白虹騎士団/でけえー。前回購入したグリス・ボックも大きいと思ったけど、それが1/60か。OMGの機体は正直特に好みではないのだけど、それでもよくわかんない納得をさせられてしまうインパクトがある。


UNDER ELEVEN/左:惣流・アスカ・ラングレー, 中:綾波レイ, 右:浜辺のリナちゃん/いつも行く度に気になるディーラー。ディーラー名がディーラー名で、作風も合間ってすげえアグレッシブなことになっちゃいるんだけど、着色成形とか塗り分けと同期した部品分割とか、製品に対する意欲的なアティテュードも非常にかっこよく感じられるところ。フラッシュ焚いて初めて瞳にドールアイが使われてるのに気がついた。淡白な造作の顔にドールアイってのも新鮮だったけど、それよりもドールアイにフラッシュ焚くのはヤバい。瞳に光が宿って、なんか見てはいけないものを見てしまった気になる。これには衝撃を受けた。スゴイ。


REFLECT/セラちゃん/ここのディーラーは、WHFのキャミィのイメージが強いのか、2カラー展示の印象があって。超ストロング・スタイルな造形でカッコイイんだけど、この健全なエロコンシャスさは、所有する場合に距離を計りづらい感じがある気がする。町田ひらくとか、みかんRよりも第六天魔王グレートもっちーの方がむしろエクスキューズ負荷が高い状況にも似てると言っていいか。前者はマイナーメジャーであり、後者はメジャーと誤認されかねないマイナー・マイナー。


栗色公国×ピースメーカー/左:魔法ホウキ少女, 右:水兵ちゃん/ホウキ少女はそんなでもなかったんだけど、メットの造形がかっこいい。鍔やエグレが自転車メットぽいニュアンス。水兵ちゃんは適度なむちむち感とスク水+制服な衣装が気になったりとか。


solid and ラブチョップ/はすはちゃん/Qコチャンを売ってるディーラー。これ、仕上げが無残な事になってて気になったんだけど、なんだろう? 元絵はそんなに悪くもないというか、オリジナルとしては想像しやすいニュアンスではあるけど、カチっと作ればかっこよくなりそう。完成品も、頭周りとか見ると一応作れてるんだよな。なんでこんなダミーディーラーチックな有様にってのも気になるけど、これが抜かれてキットになってる事にも眉毛がハの字を描く。これくらいの進捗、うん、これは完成度っつうより進捗と表現すべき状態だと思うからそういうけど、これくらいの進捗のキットが売られてるのはそんなに珍しいことでもなくて、結構ある。でも、このディーラーのほかの見本はアベレージな出来で、ディーラー内でそういう意識差みたいなものが窺われるのが珍しいというか、不思議だ。一冊の同人誌に描いてる面子の中で極端な画力差があるのは結構見るけど、同じような事態なのかしら。


卓球模型/柏木初音/こないだのワンフェスで出てた犬ちっく。飛ばしてる!かっこいい。もっと俺にお前の俺解釈俺ノリ俺アレンジを!! モアハイパー。関東では今回で終売。このディーラーのというかyr?氏の作るもののセンスって、フィギュア村的な基準点から、大分同人誌ぽい二次創作感に寄っているというか、ファンアートぽいような。いわゆる小林泰三的ネーミングでいえば原作破壊者? いやもちろん原作に対するラブライクビコーズが為のスクラップ&デストロイであることは承知の上でってかスクラップ&デストロイって壊してるだけじゃねえか、それは! いや、なんか作風の発揮のされ方が、造形段階でのアレンジに加えて意匠レベルでも〜 と思ったんだけど、ここの作品って全部絵描きの人のジャケットがついてんだよな。例えば今回のキットは島田フミカネ。造形とジャケットどっちが先なんだろう。先に絵があって、だとしたら上に挙げた印象は納得がいくものだし、造形が先にあったとしても同人誌文化圏に接近しているイメージが特に変わるものでもない。


ぐりむろっく!/フェンサー/前髪以外はスキンヘッド。ネコミミとシッポという記号で十分な情報量だと判断して敢えて作らなかったっていうのが。ちょっとデザインがおとなしいな、と感じたのだけど、2001年製作ときいてなんとなく腑に落ちる。人間至るところマッハの戦いあり。この"マッハの戦い"って言葉を、受け手作り手含めた意匠消費の流速表現として使ってしまうことは、ダサめな誤用であるようにも思えるのだけど。そもマッハっつーほどかよという異議もあっていいんだけど。だけど、かしらかしらご存知かしら〜?知りません。わかりません。


左: サンガッツ本舗, 右:DARKSIDEHEROTOYS/左:(左から)コケカキィキィ, ベーレンホイターの女, あの世の案内人, 右:家獣/水木ソフビのディーラーが偏在していて気になったので。コケカキィキィかわいいなあ。生まれ変わったら水木キャラになりたい。バックベアードになりたい。バックベアードになってクラシックカーに乗って美空ひばりの息子をギャフンと言わせてみたい気もするが、バックベアードは立体視ができないから怖くて車とか運転できないんだ、きっと。

2005.05.12

_ [イベント][感想]COMITIA72

http://www.comitia.co.jp/
もう一週間前の話になるけれど、WHFと同じ会場でコミティアもやっていて、それで、行ってみたらカタログが売り切れてフリー入場になっていたので、入った。コミティアを、島を意識して漏れのないように回るのは多分始めてなんだけど、コミティアを出自とする作家の人の傾向なんかから僕のもっていた想像と期待に違わず、ずいぶんなアベレージの高さを持って応えられ、これは大変に喜ばしいことだった。収穫だ。次は夏?行く行くー! 仕事?休む!

以下、コミティアとは多分関係のない話。当日はゴールデンウィークショックで、僕の利用する金融機関が軒並み壊滅していたおかげで手持ちの現金が大変心許ない状態にあって、旺盛な購買要求と拠出可能なリソースの間にはため息の出るような乖離があって、つまり資金がショートしていたわけなのだけれど、これはこの種の、3D/2Dに限らない即売会型の催しにおいて即物的に致命的であるとともに、(対価を支払う行為にあって、通貨以外のリソースを対応させることのできない現状に対して、――その営みが澱みなく履行されることによって、あるいはされるが故に?――自明のものとして意識のローレイヤーにあり、常にそのままならなさを検算され、後ろめたさのために意識の片隅以上に登ることのない(その後ろめたさは、私が選ばない、という怠惰を選択し続けたがためになだらかに切り捨てられた可能性達の幻肢痛であり、その事実を警鐘として意識の内に留め続けるために、その切り捨てた可能性ですら後ろめたさという形で利己の内に回収される己のよくできました具合にたまらなくなるときがある、けどそれは今は多分関係がない。))平時であれば自明のものとしてスルーされがちな消費者というパイの切れ端の一粒子でしかない自らのフィジカルな有様が、(その自己規定と自己肯定が依って立つ最低限の立場すら全うできないことによって更に強く)意識されて、コミティアという場に自分が過剰に抱いているであろう幻想としてのクリエーション圧力(なんつうか、胡乱な分類として言われるところのワーキングメガネの人と、代官山メガネの人が各々のメガネ性に対して強烈に自覚的でありながらも全く混交しているその様に、mixiにおける(揶揄対象になることの多い)自称クリエイター率の高さと、絵描きコミュニティの強力さ(と共に、自己紹介画像によって露になる、画力でソートされた緩やかな階層化傾向がー、や、多分前からあった事だし、自分と似た物を求める志向だと思ってしまえばどこまでも一般化できるんだけど、mixiではシステム的にそれがより目立った形で、しかも容赦なく現れるなあと思ったけど、特に繋がらない。)がオーバーラップしたりして醸成された妄想)によってディスインテグレートされそうになり、とてもいたたまれなかった。改めて自分がNetHackでいうところの観光客であり、アロハシャツを着て、高いカメラを光らせて誰かをビックリさせることしかできず、イェンダー印のプラチナエキスプレスカードに恃んで(恃んだところで、担保されるものは極めてあやふやで信用がおけず、それだけでは全く不十分であることが判りきっているのにも関わらずそれに縋るほかなく、なお、その現状を肯定することが出来てしまっているこのままならなさ!)運命の大迷宮生活を送るほかなく、カード無しにはそれすら能わず、観光客のまま地下22階に至らんとするもその生存に対する環境の圧力は内外から強まるばかりであるように思われて煩悶の種は尽きず、これら煩悶に対する最終的解決の手立てへと至る道行きの不安と、その不安に対応することの無意味さと余力の無さを理解してしまってもいて、それでもだからいっそうなおのこと、しばらくはこのまま進む他ないのだということも了解できている。今日の時点ではまるで問題ない。位置もベクトルも、推進力すら! 自己肯定OK。この世で一番大事で愛しい自分が頑張らないために頑張ろう。よし。

_ [WWW][マンガ][感想]そうやね

http://urban.sakura.ne.jp/
高野文子meets俺と海って感じか。描かれる女子の衒わない卑俗さと、手の届かなさのバランス感覚がとても気持ちいい。対価も支払いたいし所有もしたい。本になんねえかな。

URLの紹介とか、自分内ルールに抵触するところがあって、積極的には行わないのだけど――と思ったけれど、ルールを明示しないで、その運用についてだけ言及する恣意性がすげえかっこわるいな。脳内なだけになおさら。成文化されてない自分内の決め事について、成文化しないまま言及しない、という項目を追加しておこう。ファイトクラブについて尋ねてはならない。

_ [立体][イベント][感想]MONKEY FARM 2005 Exhibision Nurseglove

http://monkeyfarm.cocolog-nifty.com/
ンムン。本当に"タタキツクラレ"ている。異質だ。手仕事的な鍛造と切削と溶接なんていう、技術体系としてのロボット、スペックシートと、"製品"開発史としてのロボットの有様に腐心してきたリアルロボットの体系からはかなり遠い方法論(設定、としては多分省みられたこともないんじゃないだろうか。『ボトムズ』の主人公に見られる一人でできるもん感は、AT自体が極端にパーツ同士の規格化が図られた上での自作PC的なニュアンスであるように思われて、今回の1/1スコープドッグの有様を設定的には半ば許容しつつ、捉え切れてないような。『ガサラキ』にはロボの元ネタとして甲冑を着けた鬼が出てきたけど、それだって大して被らない。そういえば『ガサラキ』も高橋良輔作品だ。)で作られているのに、形そのものは元の意匠を相当忠実に再現する方向に志向しているっつうのが、仕事者でもなく、重アートの人でもない職人ぽさというか、火縄銃を複製した種子島の鉄砲鍛冶を連想するというか。ATが元々内部構造を感じさせない意匠とサイズであるってこともあるんだけど、甲冑というかゴーレムというか、ちょっと素直なロボ像とは違う感じ。仏像といわれるのも判る。

えーと、いつも通り話が繋がらないんだけど。物質としての量感に圧倒されたりとか。実際には2,3mm一部6mmとか、わりとペラい鋼板で作られていて、重量も設定の3分の1くらいしかなかったりするみたいなのだけど、全くそれを感じさせなくって、ふくらはぎ側面のスリットで表現されているような20-30mm厚の装甲で全身が鎧われているという説得力がある。それは各部の形状出しがしっかりしてるからってのもあるし、明快な無骨さを備えた表面処理の効果でもあると思うのだけど、それによって何が見えて、どんなリアリティについて半ば否応無しに理解させられるのかといえばそれは、5mにちょっと足りないくらいの、直立した人形の、AFV(装甲戦闘車両)の姿と、それを生み出す世界の安全係数の低さだと思った。これが降着姿勢を取ったら、ランクルとか載せた立体駐車場が降りてくるのとかわんねえな、とか。あんな、人力では絶対に開閉できなさそうな巨大なハッチ、身を乗り出してる最中にしまったら、指、腕、首、胴、生き別れエニシング。絶対乗りたくない、とか。パワーアシストとかなさそうだし。で、こんなのが腰落として足の裏の車輪で爆走してて、地面にピック突き立ててギャリギョリ旋回したりするのか。嫌すぎる。乗りたくもないし、対ATライフル一丁で歩兵として相対するのなんか絶対にゴメンだ、と思わされる。何より、こんなのが街場に溢れるまで量産され続けて、惑星の隅々にまで入り込んで、どこまでいっても常在戦場な世界って、本当、最低。ボトムズ。

2005.05.15

_ [小説][感想]ジョン・クリストファー/トリポッド #3 潜入

本: トリポッド 3 潜入ハヤカワSF トリポッドはどうやら中の人までかわいらしく、強大でおそろしくも、憎めない。むしろ主人公側の揺るがないモチベーションに臆しがちな自分は、あまり良くない読者であるのかもしれない。トリポッド人やトリポッドが憎めないのは、あくまで結局、主人公エフェクトにも強烈に恵まれた"ぼく"にスカポカーンとあっけなくやられてしまうから、というのもあったりはするので、彼が欠けては成り立たない印象でもあるのだけど。その背後では無口なナイスガイであるところの彼が適切に事切れたりしていて、何かその辺りの要素の整理ぶりが、思い切りが良すぎる感じもして。小説として手際が良すぎてもテイストレスに感じてしまうものなのかもしれない。トリポッド人の住環境はいい感じに不快指数がカンストしており、何かジワリと嫌だ、と思ったけれど、乾いた海外で育った人が真夏の日本に来たら、重力はともかく温度湿度に関してはほぼ相似した印象を持ちそう。重力については、ただの人間が界王拳を会得しようとする様子の切なさと同種のものを感じる。あと、『銃夢』に出てきた公衆自殺機の元ネタを見た気がしたけれど、ディストピアものとしてはポピュラーなネタだったりするのだろうか。しそうだ。てか、ぐずぐずぐしてたらもう最終巻が出てる! 買おう。

2005.05.16

_ [イベント][感想]デザイン・フェスタ Vol.21

http://www.designfesta.com/index.html
カオスカオス。おもしろかった! なんつうかね。それぞれのブースでやってる事はおもしろい/かっこいいなりにどっかで見た事のある、自分の内にある無数の文脈で了解可能な感じなんだけど、一つの会場に納まってる事自体がバリューになってしまうくらいに、それらノードの分布範囲が広い。あったりまえなんだけど、俺の知らないビッグサイトだ!と思った。コミケ(どっちかっつうとコミケスペシャルだけど)とも、コミティアとも、ワンフェスとも、ドールズパーティとも接続する部分はあるんだけど、そうでない部分のが多い。

タトゥースタジオがニードル唸らせてる実演やってる横で、有機農法についての展示してたりとか、10min/1kで整体やってるブースとか。自作服売ってるゴスロリさんと前貼り一丁の暗黒舞踏の人が隣り合ってたりとか。さっき広い、といったけど、本当はそんなに広くもないんだよな。専門学校の文化祭+下北沢、原宿、高円寺、吉祥寺辺りのイメージで大半は説明できてしまう。ガーリーだったり雑貨趣味だったりエコロジカルだったりな、文系創作ソドム。そのさして広くもなさそうな文化圏の各要素がフィジカルに一箇所に集められて、幾重にも折り畳まれてグチャグチャに混交・濃縮されている様はやっぱりカオティックだけど、興行として優秀な、適切な規模のカオスぶり。

以下、買ったもの。予想してたより消費圧力がたかくてちょっと軽く散財気味だ。したっけ、結局お洋服と立体物だけなんだよね。自分の中で消費回路ができていないジャンルについて、予想以上にお金って払われづらいものだと実感する。


hotanism.com/BLACK RABBIT 2500/レジン製のうさぎ。かわいい。この、口角を吊り上げたモンスター口には抗えない。本当は口に片手をあてたバージョンもあってそっちが欲しかったんだけど。横山宏ライクな塗り方がしてあって、アブストラクト(といっていいものかどうかよくわかんないですけど)な形に油絵的な、塗膜を重ねた質感って、公園の遊具というかLUKE CHUEHの絵っぽくもあるなと思った。いいかんじだ。しかし、こういった"かわいい"物を自分の手の内に置くということについては、しんちょうにけんとうされねばならないだろう!どん!! 世の中にはかわいいものが溢れていて、油断すると広大無辺なかわいさに飲み込まれて身動きが取れなくなって窒息してしまう。


Combhard neoprene/ELEN/ネオプレン製のかっこいい服を売ってるブースがあった。ネオプレンてのは、ウェットスーツに使われてる微細発泡ラバーみたいな素材だ。モコモコしててあったかい。わりとまともな値段がしてたのと、これから夏になるというのに、明らかに半年ほど着られない服を買う事への逡巡で一度はスルーしたのだけど、前日に『トップをねらえ!2』を見ていたせいで、変な素材感欲求と、満たされない男のワンピース欲求が高まっており。あと、一人で店番してたのが日本語全くわからないフランス人のオッサン(後からサイトみたところによると、このオッサンはデザイナー兼オーナーだったようだ)で、お洋服に関して適用される一期一会補正が最大限に高まってもいて。しばらくの買うた止めた音頭の後に買うたに倒れる。ネオプレンのくせにパンチングされてて適度に風を通しやがったり、サイズがビタビタなので下にシャツ1枚くらいしか着られなかったり、なんか行き場のない服な気がする!が、物としてはすごい気に入った。縫製とかディテールもちゃんと仕事してあるのがいいな。国産のこういう衒った服って、その辺りがいい加減というか、華奢に出来てて対価をし払う気になれないことが多い。


法螺雲堂/左:猫風神雷神像, 右:猫仁王像/のっぺらな猫が愛らしい。並んでるものが全部細かくカラーリングが違ってて、好きなのが選べたりする。風神雷神が一対で\2000、仁王が一対で\1500。この彩色ぶりでそれは頑張りすぎじゃねえかと思ったりしたんだけど、ワンフェス辺りの値付け意識とはまた別の力学があるのだろう。うさぎも全項15cmで700円だったものなあ。しかし今回は偶々かもしれないけれど、自分は、はっきりとした顔の造作がないものが好きすぎる。煎じ詰めれば覆面好きに集約されるところかもしれない。ほしいなあ、プレートメイル。


SCYTHE(音出る)/ゲーム脳8ビット/前述の法螺雲堂に委託されていたSCYTHEの新作。SCYTHEはワンフェスとかでスゲーかっこいい変形ロボと、モンドな小物とかを出してるいかすバランス感覚のディーラーだ。添えられたメッセージが
「脳の進化はここにある。
ゲーム脳に移行せよ。」
      (ライト・ピープル)
ハハハ、クール。かっこいいと言っていい。ふざけるときも冷笑する時も全力で。白鳥のように。しかし、8ビットか。それじゃあ仕方ないな。アルファ波も出るよ。わるいわるいごめんごめん。

2005.05.19

_ [COMIC][感想]カート・ビュシーク, ブレント・アンダーソン, アレックス・ロス/アストロシティ : コンフェッション

本 : アストロシティ : コンフェッションこの、アストロシティというシリーズが、既存のアメコミ資産を分解再構築して、いわば語りなおそうとしている、ということにアイデンティティの一端を預けているんだな、ってのは、前作であるところの『ライフ・イン・ザ・ビッグシティ』を読んだ時にも感じたことだった。

それで、今回は、バットマン&ロビンを下敷きにしたヒーロー、コンフェッサーとオルター・ボーイの関係性をメインテーマとして、アメリカン・ニュー・ミソロジーたるアメコミでは半ばお約束的に反復されている(繰り返し語られるからこそ、ミソロジーたりえるとも言えるのか?)ように感じられる、正義の有様とか、スーパーパワーに伴う責任、ヒーローについて回る厄介なヴィジランティズムとの付き合い方なんかが描かれてる。カート・ビュシークがこの種のテーマが大好きってのもまあ、あるだろう。んでね、このコンフェッサーとオルター・ボーイの描かれ方がよかったですよ。単なるバットマンの焼き直しになっていなくて、かのダークナイトが持つ要素の数々を膨らませつつ、ある意味で本家よりもらしいオリジンを変奏している感じ。こうもりモチーフの展開のさせ方もいいし、両親との無残な別離という、強烈で、ヒーローとしてバットマンのアイデンティティに長く影を落とし続ける要素を、コンフェッサーとオルター・ボーイの関係を父子的に描いて、なおかつオルター・ボーイの死別した実父に対してコンフェッサーに言及させて、綺麗にってーとちょっとイメージが違うけど、ストロングスタイルなオリジンを構築してるとことかも素晴らしく真っ当だ。中盤でコンフェッサーとオルター・ボーイのバットマン&ロビン的な関係性を描きながら、結末において、再帰的に、真の意味でのバットマン=コンフェッサーが誕生するっつー構成もかっこいい。

しかし、各巻の表紙を描いてるアレックス・ロスの画法は何度見ても異様だ。描く対象を、全て実際のモデルやおもちゃなんかで再現して、光源と影のつき具合を全部確認してから描いてる。奥浩哉からPC取り上げたらこんな感じになったりして。ならない。ロボぽいモチーフを描くのに、デナン・ゾンのプラモをモデルに使ってたのは、『キングダム・カム』で『パトレイバー』のグリフォンや『犬狼伝説』のプロテクト・ギアをそのまんま出したのを知ってるとさして意外とも思われないけど、この人多分、これらのモチーフの中身には全く興味がねえんだろうな。なんとなくそんな印象がある。

_ [EQUIPMENT][イベント][感想]パワライザー

http://www.poweriser.co.jp/(音出る)
もし君がストライダーになりたいのなら。ゴードン・フリーマンにぶっ飛ばされたり、アンドゥリルを振り回したりしたいのなら。あるいは、自分の身長以下の段差から墜落死したくないのなら。パワライザーを履け。馳せろ。中松義郎の、あやふやなファンタジーに対する、2005年型現実解。暴力的なまでにストレートなジャンプ力拡張デバイス。ついでに身長も伸びる。まあ、キノコ食って巨大化してる奴等の現実というのは案外こんなものなのだ、きっと。

  • タイムリーにパワライザーを体験できる機会があったので、行ってきた。公式サイトの交流BBSで、定期的にこの手の練習&体験会が催されてるみたいだ。今回たまたま東京でやることになったと聞いた。
  • 基本的には、竹馬+トランポリン。膝下でバランスメンバが完結してるアルミフレームの竹馬に、グラスファイバー製の板バネがマウントされてる。スキーブーツみたいなバックルと、ベルクロで足に固定する。最序盤(立つ-歩く)は竹馬的なノウハウが機能するけれど、その後(走る-飛ぶ)ではトランポリンぽさが強くなるイメージ。二点正立なので、竹馬と同じく、基本的に足踏みしていないと立っていられない。
  • エクストリームな遊びではあるものの、歩く/走る/踏み切るといった動作は普段から行っている/行えるものなので、とっつきはいいような気がする。僕を含めて4人くらいのパワライザーチェリーがいたけれど、総じて装着→立ち上がる→歩行までの流れはスムースだった。
  • 装着すると、身長が20cmくらい高くなる。それによって見える世界の変化というのは相当なもので、最初はこの状態でポコポコ歩いているだけで楽しい。電話ボックスの天辺に手をかけて休憩してると妙な気分になってくる。大体、普段誰も触れないところに触ることになるので、手や体はドロドロになるけど。
  • インラインスケートライクにクロスや後ろ歩きの練習をしたりする。この辺りの身体感覚の慣熟は、足回りにデッドスペース&ウェイトが発生する遊び全般で行われるものだと思う。転んだ時の立てなさは、初めてスキー履いて転んだ時と同種のものだ。バネは、常に足の裏にトランポリンがついてくるイメージで運用するのが肝要であるっぽい。
  • 転ぶことについて。バネを使ってない(=飛んでない。大したモーメントがついてない)時に足をもつれさせて転ぶのは特に問題ない。受身がとれなくても肘膝掌がすりむけるだけで終わる。プロテクタつけてればそれもない。ただ、膝下が長くなってる状態なので、ふつうに転ぼうとすると体の各所が動かない方向に動いて、小学生に所有されているガンプラの如くなるときがある。ビギッとかピシッって音がした。バランス崩したら目をそむけたくなるくらい飛んでる人が転んでるのは見かけない。飛んでる最中に板バネが折れたりしない限り大丈夫そう。
  • いうまでもないことかもしれないけれど、全身運動だ。ドロドロのビショビショのベキバキになる。
  • バネを駆使する度に、素材の素性(アルミフレーム)のお陰でバガシャ、というような音がする。メカだ。板バネ周りの華奢さがハイテク義肢ライクでかっこいい。
  • 49000円。ううう。

2005.05.23

_ [マンガ][感想]押切蓮介/マサシ!!うしろだ!!

本: 押切蓮介劇場マサシ!!うしろだ!!ヤンマガKCデラックス
霊を殴るとハンペンの感触がする!!
本当なんだタケシ!! 俺 幽霊にケリをかましたんだ!!
肉弾戦アリなんだよ!! 勝てるかもしれない!!
怪談やオカルトといった形での信仰を失ったオバケを、ヤングマガジン特有の、ちょっと鬼気迫りがちな客気と切実さでもって解体した結果、少し煮たハンペンみたいな感触になってしまった、というマンガ。霊と相対する際に重要なことは、霊自身の存在が、それを見るものの思い込みによって成立しているという事にある、というスタンス。つまり、居る、触れる!殴れる!!血が出るなら殺せる!!!と自分の認識を変容させることが、相対する霊の実存を書き換えることになる、ということ。それをふまえて、霊を全く特別扱いしない、そこらの生き物と同列に、人語を解する生き物のヴァリアントとしてしか扱わない、というのが、デビュー作であるところのこの本の表題作から、『でろでろ』に至るまで共通する、押切蓮介作品の世界観に通底するものだなあと思ったりしたけど、そこらへんはわりとどうでもよくて。ギャグマンガだしな。それよりも、押切蓮介の描く女の子はいちいち好いたらしいことのほうが問題で、更にそのかわいい女の子の分娩シーンを描いたりしてることも問題で、適度に下手な絵が、読者の感覚と作者の意図の間にあやふやな共同幻想を発生させて妙にグッとこさせたりしてしまうことも大変な問題であるといえるだろう。いえない。

_ [マンガ][感想]石川雅之/週刊石川雅之

本: 週刊石川雅之モーニングKC 俺、この人の描く絵が好きだったんだよ。むかしどっかに載ってた倭寇の話がよくって、それで気にし始めたんだけど。なんつうんだろう。目的化に溺れないで、マンガの手段として研ぎ澄まされた絵、ACが高そうな絵だと思ったよ。絵面自体も重厚だったし、なんか人物の着てる服が全部すげえしっかりしてるように見えるんだよね。絵が崩れてることが想像できないくらいにカチーッ、ピシーッと画面のクオリティが整列してるのもその印象を加速したな。余裕がある無しがすごく画面に出る漫画家って、いると思う。篠房六郎とか、ちょっと切羽詰るとすぐ絵がグチャグチャになったりする。篠房六郎の場合、下品じゃない方の短編集読むと判るけど、べらぼうな速度で絵が上手くなってんだよね。促成栽培ゆえの足腰の弱さ、とみてしまうのはまあ胡乱なんだけど、石川雅之はそういうのが全然画面に現れない。単行本が出てなかったからあんまり人との話には登らなかった気がするけど、常に意識してる作家の一人だった。

それで、この単行本を最近読んだ。読むまで、なんで発売当時コレをスルーしたのかってのがちょっと頭に引っかかってたのだけど、読んだら思い出した。この短編集は、連載してる時から、なんか話がグッとこなかったんだ。考えすぎてるというか、いろんな話を作れる器用さはあると思うんだけど、序・破・急で話作るのが得意じゃないのに、短編だからかどうか判らないけれど、妙にオチをつけたがる、というかうまく纏めたがってる感じがして鼻についたんだよな。あと、あんまりこじんまりとした、上手な話が似合う絵でもないってわけでもないような気がする。や、それが悪いってわけでも、デカい話をブチ上げて速攻で雑誌ごとなくなる、みたいなのが似合ってるというつもりもないんだけど、なんだろう。とりあえず俺にとっては、この作家の初単行本がコレだったことは、あまり幸せとはいえないことだった。

2005.05.28

_ [映画][感想]キングダム・オブ・ヘブン

http://www.foxjapan.com/movies/kingdomofheaven/
ボードワン4世とサラーフ・ウッディーンをはじめとした脇役がカッコイイ映画。カタパルト、バリスタ、攻城櫓、バケツ頭周辺のリッチさも素晴らしいけど、ぼくには、主人公の親父が冒頭で率いてるパーティがファンタジー色が強くて萌えどころでした。オーランド・ブルームのキャラの薄さについては、"キングダム・オブ・ヘブン"そのものに対するアバターというか、ドラクエの勇者的役回りであろうと理解したので余り気にならず。勇者はギガデインを唱えられるものなのです。あと、いつの時代も政治士官がデカい顔してるぐんたいは嫌だな、とか、そんな感じ。