ザ・グランドファーザー : おじいちゃん

the grandfather

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2004.11.09

_ [本][感想]ウィリアム・ギブスン/パターン・レコグニション

本: パターン・レコグニション 現実がギブスンに追いついたのか、これまでのギブスン作品によって変容した現実がギブスン先生のつま先にキスをしたのか判らないけれど、とにかく2003年を舞台にした現代小説。この作品をギブスン作品たらしめているのは、ブランドのロゴやマスコットキャラクターに見ただけで強烈なアレルギー反応を起こす体質の主人公とかナチスの強制収容所内で考案された手榴弾サイズの手回し計算機なんかの、突飛なまでに広範な興味の対象と、作品中の大半を占める実在要素を、実はギブスンの空想の産物ではないかと思わせるほどに、自分の内に刷り込まれた考現学的執拗さと詩情に彩られた文体の記憶。架空であれ現実であれ同じ濃厚さをもって描写され、現実を異化し非現実に血肉を通わせるギブスン味。サイバーパンク三部作、スプロール三部作、今作と、現実と作中で描かれる世界の時間が近づくにつれ、作中世界に対するギブスンの視点が優しく、楽天的になっていく印象を受けた。それは20年間のギブスン本人の心境の変化でもあるだろうし、イマジネーションの距離感にかかったバイアスの顕現でもあるのだろうと思う。本作は真っ当なハッピーエンドを迎えるし、ほとんどの登場人物にもエピローグが用意される。この、エピソードに対する決着のつけ方にも、ギブスンの成熟を感じた。

_ [映画][感想]snatch

DVD: スナッチsnatch 凝ったプロット、スタイリッシュな映像、イカス俳優陣、息つくことを許さない痙攣的なテンポ。虚無的なまでに端整過ぎて、何も引っかかるところがない、風化したかっこよさ。自分の中でこの手の、ビートニクというか、ちょっと斜に構えたブリティッシュ・ノワールへの耐性が劇的に低くなっている事に後ろ向きに少々驚く。現実感を喪失したまま、高速で撒き散らされる死と破壊、チェリーパイと区別のつかない血染めの喜劇。微かにはしゃいだ感じで提示される無自覚な死の軽さに、バーホーベンやジョン・カーペンターのそれとは異なる居心地の悪さを感じる。
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